認知機能検査の問題集とは?~高齢者運転免許~
こんばんは。
以前、高齢者の交通事故の話題で記事を書かせていただきました。
高齢ドライバーによる事故が社会問題になっているため、
75歳以上の方が免許更新する際には、認知機能検査を受けなければならない
という話は、皆さんご存じだと思います。
今回は、その認知機能検査にかかわるお話です。
はじめに
先日、
リハビリで機械を使って肩を温めている患者さんがいたのですが、
暇を持て余したのか、何か本を読んでいました。
何を読んでいるんだろうと、チラっとのぞき込んでみると、
「運転免許 認知機能検査 模擬テスト」なるものでした。
(認知機能検査に模擬テストって・・・? どういうこと?)
認知機能検査とは
冒頭でも書きましたが、75歳以上の人は免許更新に際し、
認知機能検査をうけなければなりません。
その検査とは、記憶力や判断力を測定する検査で、
手がかり再生及び時間の見当識という2つの項目について検査します。
手がかり再生
記憶力を検査するもので、一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントを基に回答します。
時間の見当識
時間の感覚を検査するもので、検査時における年月日、曜日及び時間を回答します。
認知機能検査模擬テストとは?
患者さんが読んでいた本が、ネットで売っていないかなと、
アマゾンで調べてみると、
同じような認知機能検査の模擬テスト問題集
のようなものがいくつか出てきました。
その商品のアマゾンレビューをいくつか見てみると、
・同じ問題が出て役に立ちました。
・暗記を頑張って、76歳母合格しました。
・89才、高齢で記憶も悪く不安でしたが、事前に勉強しましたので効果てきめん、無事パスしました。
いやいや、何かおかしくないですか?
認知機能検査は、学校の試験や免許の学科試験のように、
前もって勉強して取り組むものじゃないはずです。
本番の試験で、事前に勉強したものと同じものが出たという
レビューもありました。
これでは、学習効果の影響で、正確な認知機能検査が
行われていないのでは?と感じました。
まぁ、前もって自分で勉強して、問題の内容を覚えておこうと
努力する人なら、認知機能は衰えてないんじゃないか?
と言えるかもしれませんが・・・
同じ認知機能検査の話でいうと、
リハビリの業界でも認知機能検査を行うことがあります。
HDS-Rや、MMSEと言われるものなんですが、
これらの検査を行う際は、
学習効果の影響を考えて、短期間に何度も行わないように
配慮しなければなりません。
おわりに
75歳を過ぎてもまだまだ車に乗っている方が多いですし、
これから75歳を迎える方にとっても、
この認知機能検査はとても気になるものだと思います。
そのニーズから、認知機能検査の問題集なるものが
販売されていると思いますが、
そもそも、認知機能検査は何のために行うのか、
ただ、事前に同じ問題で勉強して、問題を暗記して、
検査さえ突破すればそれでいいのか?
こういう本を出版している人もですし、
購入する方も、一度、しっかりと考え直してほしいと感じました。
ありがとうございました。