なで肩で肩こりとしびれに悩んでいる人必見!現役理学療法士がなで肩姿勢のリスクと改善法を解説
こんにちは。
寒さが日に日に厳しくなってきましたが、
皆さん、背中が丸くなって、なで肩になってはいませんか?
なで肩をそのままにしておくと、肩こりだけではなく、
近い将来、手や腕の痛みやしびれで
悩んでしまうかもしれません。
ぜひ、この記事を最後まで読んでいただき、健康な体を手に入れましょう。
なで肩とは?
なで肩とは、上のイラストにあるように、
首から肩にかけてのラインが斜めに傾いていることですが、
この状態を少し専門的に表現すると、
鎖骨が下制(下に下がり)、
肩甲骨は外転・下方回旋位(体の中心からみて全体的に外側にずれており、腕に近い側が下がり気味になっている)、
胸椎は屈曲位(背中が丸まっている)となり、
上位肋骨も下制されている状態です。
肩甲骨の動きについて
肩甲骨の動きの名称については、以下のイラストを参考にしてください。
なで肩によるリスク
では、なで肩であることで、どのようなリスクがあるのでしょうか。
なで肩の姿勢は、重力に負けて、
腕や肩甲骨が下方に引っ張られている状態となります。
そのため、首から腕へと出ている神経の束(腕神経叢)も引っ張られ、
なで肩により下がった鎖骨と肋骨に挟まれる形になり、
腕や手のしびれや痛みが生じてしまいます。
このことを、胸郭出口症候群と言います。
胸郭出口症候群とは
腕神経叢と言われる腕の神経の束が、
首から腕に至る間に、筋肉や骨、靭帯などの狭い隙間で
絞扼されて生じる神経障害のこと。
絞扼される場所は3つあります。
一つ目は、斜角筋と言われる首の筋肉の間。
二つ目は、肋骨と鎖骨の間。
三つ目は、小胸筋の下。
今回は、なで肩と関係が深い、二つ目の場所について説明します。
引用:https://www.naito-sekkotu.com/posts/menu46.html
肋骨と鎖骨の隙間なので、そのまま肋鎖間隙といいます。
この隙間は、上面が鎖骨、底面が第1肋骨で構成されており、
その間を腕神経叢が通っています。
なで肩姿勢により、鎖骨が下がった状態では、
隙間の上面が低くなり、腕神経叢が圧迫されてしまいます。
なで肩を改善するためには
なで肩の姿勢では、鎖骨の下制に伴い、肩甲骨は外転・下方回旋位になります。
そのため、肩甲骨を内転・上方回旋位に保持する僧帽筋の筋力強化が重要です。
また、肩甲骨が外転してしまうと、
腕の重みに引っ張られるように肩甲骨が下がってしまい、なで肩姿勢となります。
そのため、肩甲骨を内側に引き寄せる菱形筋群の筋力強化も重要です。
なで肩が習慣化し、肩甲骨が下がった状態が長引くと、
小胸筋の伸張性が低下し、上記した肋鎖間隙とはまた別の個所で
神経を圧迫してしまいます。
そのため、僧帽筋や菱形筋群の筋力強化だけでなく、
小胸筋のストレッチも重要になります。
上記のリンク先の動画でも、それぞれ詳しく解説されています。
ぜひ、参考にされてみてください。
なで肩を改善し、見た目も美しく、痛みやしびれとは無縁な
健康な体を手に入れましょう!
ありがとうございました。