nonoway’s diary

40代、理学療法士の雑記ブログ

生活保護受給者と、弱小病院との関係性

こんにちは。

 

そろそろ、梅雨明け間近で、じめじめと暑い日が続いていますが、皆さんは、お元気にお過ごしでしょうか。ニュースを見ていても、熱中症で集団で倒れる小学生の話題などもあり、今の暑くなり始めの時期が、一番危険だなと感じています。

職場であるリハビリの現場でも、リハビリ室で運動中の患者さんが、体調不良を訴え、ふらついて倒れるということがありました。まぁ、大事には至らなかったので良かったのですが、この時期は、リハビリ室の温度管理や、患者さんへの水分補給の促しなど、気を付けなければいけません。

まぁ、そんな熱中症の話題以外に、最近気になったニュースがあるのですが、

news.yahoo.co.jp

神戸でおきた事件ですが、6歳男児死体遺棄とその祖母の監禁事件。この事件については、まだ捜査段階で、何が正しい情報かもわからない状況で勝手なことを書くのもどうかと思うので、詳しい言及は避けます。今回は、この事件の渦中にある兄弟・家族が生活保護世帯だったということから、生活保護に関して書きたいと思います。

 

この世帯は、母親(57)を含め、兄弟4人が全員無職で、生活保護を受給していたそうです。兄弟の年齢は、30代。

30代という若い現役世代でも、ケガや病気などで生活保護が必要になる人もいるでしょう。ですが、この家族全員みんなが、仕事ができないほどの障害があったというのはちょっと考えづらいのでは・・・。不正受給の話は、たまに聞きますが、生活保護という制度が上手く成り立っているのか、疑問に感じます。

 

ちょっとここで、今の生活保護受給者数について調べてみましょう。厚生労働省のHPからの引用です。

令和4年3月の時点での生活保護受給者数の数は、約200万人。現在は減少傾向にあり、過去10年で最も低い水準だそうです。

ざっくりと日本の人口を1億3000万人だとすると、生活保護受給者の割合は1.5%ぐらいです。

この数字を見て、皆さんは多いと思いますか?少ないと思いますか?

病院の現場で働いている身としては、この数字以上に、多くの生活保護受給者と接しているように感じます。ごく身近にたくさんの生活保護の人がいるんだなと感じます。

リハビリの仕事をするようになり実際の生活保護受給者と接するまでは、生活保護受給者というと、生活費を切り詰め、身なりにもあまり気を使えず、ギリギリの生活をしているんだろうなという印象でした。

ですが、実際、病院の現場で出会う生活保護受給者は、他の一般の高齢者の方と全く区別はつきません。髪は綺麗に染めており、身なりも清潔で、人によってはバイクに乗って来院されていたり、病院スタッフに対して頻繁に差し入れを持ってこられたりと、パッと見では金銭的に余裕のある方なんだろうなと思っていた人が、後になってカルテを確認すると生活保護だったと気づき驚くことがほとんどです。。

 

生活保護制度と、その受給者の在り方について、個人的に思うことがあったとしても、地域の弱小病院で働いているリハビリ職員の一人としては、その生活保護受給者に縋りながら仕事をしている現状があります。

というのも、地域の基幹になるような大病院や、大きなリハビリ専門病院など、黙っていても患者が集まってくる病院とは違い、私が今勤めているような地域の弱小病院では、限られた地元の患者さんを互いに取り合っているような現状です。

その限られた患者さんを相手に、いかにして病院としての売り上げを上げるかが大事になります。リハビリでいうなら、「単位をもっと取れ!」と上層部からいつも口うるさく言われることになります。

単位というのは、リハビリの時間のことで、20分リハビリをすれば1単位ということになります。1時間リハビリをすれば3単位ということです。この単位数を元に、保険点数が決まり、病院の売り上げへとつながります。

当たり前ですが、たくさんリハビリをする(多く単位を取る)と、自己負担のある一般の患者さんの負担金は増えます。

昨年の10月から、一定以上の所得があれば後期高齢者でも2割負担になりました。このことで、以前は頻繁にリハビリに来ていた方が、2割負担に増えてしまったため、リハビリの回数が激減したということがありました。

その一方で、生活保護受給者なら、医療費は無料なので、毎日リハビリに来ても、長時間リハビリをしようと自己負担はありません。

2割負担になりリハビリの回数が減少した方は、病状だけでみると、生活保護で来られている患者さんと比べると重度の方で、よりリハビリが必要とされる方でした。

病院の売り上げ面でみると、より単位数を取ることが大事になりますので、それが生活保護受給者でも、関係ありません。

生活保護の方も、リハビリはもちろん必要です。こちらも、意味のないリハビリはしていません。ですが、重要度、優先度という面で考えると、もっとリハビリを必要としている人は別にいるのでは・・・。病院の売り上げの為とは言え、長時間リハビリを行う必要はあるのかと、疑問に感じてしまいます。その時間をもっとリハビリを必要としている人に割くことはできないのか。。。

金銭面が原因で、本当にリハビリが必要な人に十分に治療できず、そこまで必要でもない生活保護受給者に対し、過剰にリハビリを提供している現状をどうすれば解消できるのか。生活保護の在り方、高齢者医療費の自己負担額の仕組み、また、地域の小さな病院の経営体制など、理想と現実のギャップに疑問を感じながら、目の前の仕事をこなしていくだけの毎日です。。。

明日から、いつもの平日が始まりますが、皆さん頑張りましょう!

 

今日は(今日も?)、まとまりのない話になりましたが、生活保護に対するご意見などあれば、お気軽にコメントお願いします。

ありがとうございました。